初めての「海外格安ツアー」を計画中の皆さんへ(アビイさんの体験談を基に)

まずは手始めに「海外格安ツアー」の賢い利用の仕方について解説します。そこからイギリス旅行記、ビートルズの足跡を訪ねて、と話題を広げる予定です。ただ、順番が前後するかもしれませんがその辺りはご勘弁を(^^ゞ

初めての「海外格安ツアー」を計画中の皆さんへ(アビイさんのロンドン一人旅の体験談を基に)(その4)

1 空港からホテルまで

(1)さて、空港を出てからどうするかですが、その日はホテルへ直行することが多いでしょうね。よほど時間的に余裕があるなら別ですが、その日に宿泊するのであれば下手に寄り道しないでホテルへ直行した方が無難だと思います。

 

 というのは、ホテルがすぐに見つかるとは限らないからです。何しろ送迎がないので自力でホテルまで辿り着かないといけません。もちろん、出国前の準備段階で地図を十分確認しているはずですが、グーグル・マップなどはあまり信用できません。というのもピンポイントで目的のホテルを指しているとは限らないからです。私の場合、近いところを指していましたが、ピンポイントではなく少し離れた場所を指していたんです。しかも、そこは小さなホテルが密集していて外観もほとんど区別がつかないため、探し出すのに物凄く苦労しました。ホテルのフロントに聞いたら場所が違うと言われました。正しい場所はマップが示した一角とは正反対の場所で、しかも50m近く離れていたんです。これではいくら探しても見つからないのは当たり前です。

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  これがホテルの一角とその前の公園です。この反対側にもズラッと似たようなホテル群が並んでいます。この建物のドア2個が一つのホテルです。パッと見てどれがどれだか分かりませんよね?

 私以外にも外国人の夫婦が地図を見ながらホテルを探していました。最初は、通行人だと思って「○○ホテルを探してるんです」と話しかけたら「same(同じです)」という答えが返ってきたので、てっきり同じホテルを探してるのかと思ったら、その夫婦も別のホテルが見つからなくて苦労してるとのことでした。

 

(2)できるだけ正確な地図を事前に用意しておきましょうWi-Fiが使えるならスマホの地図アプリを利用することもできますが、使えない場合に備えて紙ベースの地図は絶対に必要です。特に、ホテル近辺の地図ですね。

 さすがにヒルトン・ホテルなどの一流ホテルはでかいし目立ちますから、すぐに探し当てることができます。しかし、格安ツアーでそんな一流ホテルには宿泊しません。ロンドン市内西部にパディントンがありますが、その近くには格安のホテルが所狭しと並んでいる一角があり、よく利用されています。これが曲者で外観は似たようなのばかりですから、夜になると殆ど見分けがつかない。しかも結構エリアが広い。なのでお目当てのホテルを探し当てるのに歩き回ることになります。長旅で疲れているうえに、日本時間では深夜の時間帯でこんな羽目にあったらたまりません。なので、事前に念入りに調べておきましょう。

 

(3)それから、大事なことがもう一つ。もし、パディントン駅周辺のホテルに宿泊するのであれば、ヒースロー空港から移動手段としては列車を選択することになりますが、これも2種類あって、「ヒースロー・エクスプレス」「ヒースロー・コネクト」というのがあります。日本で言えば、前者は特急で後者は快速急行ってとこですかね。ヒースロー空港からパディントン駅周辺のホテルに向かうのであれば、このどちらかを選択することをお勧めします。なぜなら、乗り換えなしで楽チンだし、迷うことがないからです。

 

 お金に余裕のある方は前者、できるだけ節約したい方は後者を選ぶといいでしょう。前者の方が所要時間約15分、後者は約30分です。値段と所要時間のバランスを考えると、お勧めは後者ですね。ただし、平日と土曜日は30分に1本、日曜日は1時間に1本しか運行していませんので、ご注意を。

 

 それから、チケットは必ず事前に自動販売機か窓口で買います。コネクトの場合、車掌がいませんから乗車後で車内で買うことはできません。チケットなしで乗車したことがばれると高額の罰金を取られてしまうことがあります。この点がヒースロー・エキスプレスとの大きな違いですので十分気を付けてください。

   

(4) さらに注意点を一つ。パディントン駅は結構大きな駅で出口がたくさんあります。もし、あなたがNorfolk Squareの一角にあるホテル群の中のホテルに宿泊するのであれば、必ずPrade Streetと掲示されたWay Out(出口)から出てください。素直に列車の進行方向へ歩いていけばいいだけです。ヒルトンホテルがあるのですぐわかると思います。私は、何を勘違いしたか、踵を返して正反対のタクシー乗り場の方の出口から出てしまいました。そのためそれから約1時間、地図を片手に通行人にホテルを訪ねて彷徨い歩く羽目に陥りました。駅の周囲をぐるぐる回り、結局ヒルトンホテルに戻ってきたんです。ヤレヤレ。

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  そのホテル群を目指していくのなら、出口を出てヒルトンホテルを右手に見ながら左を向いてPrade Streetを北東の方角にまっすぐ歩きます。数分ほど歩くと「バーガー・キング」があるので、そこを右に曲がって南西に数分歩くと「OLIVER’S STEAKHOUSE」という店がありますが、その東側一帯に広がるのがそのホテル群です。つまり、駅から歩いて10分もかからない場所なんです。

 しかし、ここで安心してはいけません。前述したとおり、ここにはホテルがどっさり並んでいるんです。まるで長屋みたいに立ち並んでいて外観上区別はつかないし、派手な看板もありません。ですから、一軒一軒入口まで行って、名前を確かめないといけません。しかもホテル群のど真ん中にNorfolk Square Gardensという広い公園があり、反対の一角へ行ってしまうと結構な距離を歩かないといけません。私は2日目にも道に迷い、やむなくタクシーを拾いました。しかし、タクシーの運転手ですら間違えたんです!!ロンドンのタクシー運転手は、複雑なロンドン市内の地図を頭に入れて、難しい試験にパスしないといけないので、世界一道に詳しいといっても過言ではありません。その運転手ですら間違えたんですから、どれだけややこしいか想像がつくと思います。

 

 そこで、そのリスクを避けるため、事前にグーグル・マップのストリート・ビューで位置を確認しておくことをお勧めします。試してみればわかりますが、どのホテルも外観がほとんど同じ!ストリート・ビューですら見つけるのに結構時間がかかります。まして、夜暗くなってから長旅で疲れた足と重いスーツケースを引きずりながら歩いて探したら、どれだけ時間がかかるか。見つけたら角から何番目とか正確に記録しておきましょう。もちろん、地図にもしっかりと印をつけて、経路をボールペンで書き込んでおきます。

 ヨーロッパの格安ホテルはこういうケースが多いので、事前に場所を良く確かめておかないと酷い目にあいます。国内のツアー会社がしっかりしていればちゃんと教えてくれますが、国内の格安ツアー会社も現地のツアー会社にホテル選びを委せていて、詳しいことまでは知らないことが多いんです。

 

(5)     あともう一つ注意点を。到着便が遅れたり(ヒースローは混んでいるのでよくあります)、列車を乗り間違えたり、道に迷ったりでホテルへの到着が遅れることがあります。その場合、午後11時までに遅れることを電話で連絡しないといけないとしているホテルがあります。これを怠ると予約が取り消されてしまい、宿泊できないという最悪の結末を迎えることになってしまうので、これも事前にツアー会社から渡される資料によく目を通しておいて下さい。

 

2 ホテルに到着してから

(1) フロントにあらかじめ予約したバウチャーを差し出し、「I’d like to check in.」(チェックインをお願いします)と言いましょう。本人であることを確認するため、パスポートの呈示を求められることもあります。で、部屋の番号を書いたカードをもらい、キーを借ります。そのカードは、外出の際にフロントに預けたキーを渡してもらうのに必要ですからなくさないように。もちろん、キーを持って外出してもかまいませんが、なくすと弁償させられるかもしれないので、預けておいた方が無難です。格安ホテルですからポーターはいません。自分で荷物を運びます。

 

(2) 自分の部屋に着いたら、ほっと一安心ですね。とりあえず荷物をほどいて着替えや洗面用具などを取り出しましょう。最低でも2~3泊はするでしょうから、スーツケースはクローゼットに置きっぱなしでも構いませんが、外出する時は必ず鍵をかけておきましょう。もちろん、貴重品はもって出ること。私は、うっかりスマホの予備電源を部屋に置き忘れ、盗まれるのではないかとヒヤヒヤしました。帰ってきたら、ちゃんと枕の上に置いてくれてましたが。

 

(3) バスタブがなくシャワーしかないホテルもあります。それから、栓をひねっても水しか出てこないことがありますが、これは故障ではありません。この辺りのホテルは地下に温水タンクがあり、そこからお湯を汲み上げているため、お湯が出るまで2~3分はかかるんです。ですから、栓を全開にして扉を閉め、そのまま待ちましょう。そのときシャワーのノズルは壁側に向けて床に置きましょう。うっかり扉側に向けてしまうと、扉を開けた途端、部屋が水浸しになってしまいます。私はそれをやってしまい、床が水でビショビショになってバスタオルで拭く羽目になりました。予備のバスタオルを日本から持って行っておいたので助かりましたが。

 

(4) 数分経つとお湯になっているはずです。熱くなっているかもしれませんからやけどしないよう気を付けて、左右の栓を適当に開け閉めして温度を調整します。もし、それでも水が出ているようなら、これは故障か使い方が間違っているかですね。フロントを呼んでお湯が出ないと言いましょう。故障なら部屋を変えてくれと言いましょう。こういうことははっきり言わないといけません。

 私の場合、初日のフロントマンが頼りないヤツで、お湯が出ないと言ったら、じゃあ、係員を呼ぶからというので待っていたら何時まで経っても来ません。どうなってるんだとまた文句を言ったら、ごめん、きょうはもう遅いからまた明日だと。この野郎、部屋を変えるように要求しようかとも思いましたが、頼りなさそうなヤツだし、長旅でホテルを散々探し回ってくたびれていたので、冷たいのを我慢して頭だけ洗いました。

 翌日、別のフロントマンに聞いたら、前述したように水をしばらく出しっぱなしにしておけばお湯が出ると。それなら最初からそう言え!

 それから、私の宿泊したホテルにはシャンプー・リンスとヘア・ドライヤーはなく、小さな石鹸が一個あっただけです。日本のビジネス・ホテルの有難味が身に染みました。シャンプー・リンスはないことを予想して旅行用の小さいのを日本から持っていったのですが、ヘア・ドライヤーぐらいはあるだろうと思ったのが間違いでした。おかげで毎朝髪が爆発していたので、タオルをお湯で温めて頭の上に載せて髪を整えました。

 

(5) 早く寝たいでしょうが、明日の準備をしてからにしましょう。早朝に出発するならなおさらです。明日来ていく服、持っていくカバン、その他必要なものはすべて準備しておきましょう。重要なのは起床時間の確認です。オプショナル・ツアーなどを申し込んでいるなら集合時間が決まっているはずですから、絶対に寝坊しないようアラームをセットしておきましょう。なお、日本のビジネス・ホテルのようなアラームはありませんから、念のため。