初めての「海外格安ツアー」を計画中の皆さんへ(アビイさんの体験談を基に)

まずは手始めに「海外格安ツアー」の賢い利用の仕方について解説します。そこからイギリス旅行記、ビートルズの足跡を訪ねて、と話題を広げる予定です。ただ、順番が前後するかもしれませんがその辺りはご勘弁を(^^ゞ

初めての「海外格安ツアー」を計画中の皆さんへ(アビイさんのロンドン一人旅の体験談を基に)(その6)

準備編

 さて、本来は一番最初に書くべき準備編です。ここでどれだけしっかり準備しておくかで勝負が決まると言っても過言ではありません。お金を節約する分、ここには力を入れる必要があります。

 

2 目的をはっきりさせること

 「こんな所に泊まりたい」「このスポットを観たい」「これを食べたい」「これを買いたい」「こんなアトラクションに参加したい」…みなさん、特に「格安ツアー」を目指している方は、なぜそこに行きたいのか目的をはっきりさせることが重要です。その目的のために他の予算を削るわけですから。逆にいえば、それ以外の部分は極力お金をかけないようにする必要があります。

 

 私の場合は、「ビートルズの足跡を尋ねること、特に、アビイ・ロードで写真を撮影すること」というはっきりとした目的がありましたから、それ以外のホテル、食事、土産物などには目もくれませんでした。格安のホテルで食事もなし、物価が高いせいもあって本当に食費にはお金をかけませんでした。

 

3 手段を選択すること

 ここなんですが、観光目的での海外渡航の手段としては、①添乗員付きのツアー②格安ツアー③ツアーを利用せずすべて自分で段取りするの3つがあると思っています。このうち、私は、今回は②「格安ツアー」を選択しました。

 

 費用で比較すると、①添乗員付きのツアー>②格安ツアー>③ツアーを利用せずすべて自分で段取りするとなりますね(高い順)。

 手間で比較すると、③ツアーを利用せずすべて自分で段取りする>②格安ツアー>①添乗員付きのツアーを利用するとなります(かかる順)

 

 要は、このバランスをどう考えるかです。お金のことだけ考えれば③を選択することになります。しかし、これはよほど海外旅行に慣れた人や前に行ったことがあるという場所を除いて、かなりハードルが高いです。

 

 今はネットが普及していますから、航空券やホテルの予約は簡単にできます。しかし、それがベストの選択肢かどうかは自分で調べないと分かりません。例えば、航空券を取っても、どこの航空会社のどの便を選択すればよいのか、これを調べるだけでも大変な手間と時間がかかります。それをかけることを考えると、お金を払ってもその道にたけたツアー会社に代行してもらった方が手っ取り早いと言えます。

 

 ホテルにしても、メジャーな観光地に星の数ほどある中でどれを選択するか。ネットで調べればランキングや宿泊費もすぐに分かりますから、航空券の手配よりは楽だとは思いますが、それでもある程度の手間と時間がかかります。

 

 正直、私が③を選択していた場合、②を選択した今回と比較してどれだけお金を節約できたかは分かりません。なので断定的なことは言えないのですが、相当な手間と時間がかかったと思います。ですから、結果的には②を選択して良かったのかなと思います。ただ、もし、もう一度同じ場所へ行くとしたら、今度は③を選択するかもしれません。

 

4 ツアー会社の担当者と面談すること

 もし、ツアー会社がそれほど遠隔地でないのなら、電話やメールのやり取りだけでなく、直接担当者と面談することをお勧めします。何しろ現地では何から何まですべて自分で段取りしないといけないので、聞きたいことは山ほどあるはずです。電話やメールでも大まかなことは聞けますが、細かいところまではなかなか聞けません。面談で聞いた方がずっと早いです。

 

 それから、たまたま当たった担当者が頼りないということもあります。私の場合は新入社員で、ミスをやらかしてくれました。例えば、現地のオプショナル・ツアーを申し込んだんですが、メールで送られた注意書きをよく読むと、前日までにチケットを現地のツアー会社まで取りに行かなければならないと書いてあったんです。

 

 しかし、そのオプショナル・ツアーの開催日は到着日の翌日です。事務所は空港からかなり離れており、到底間に合いません。それですぐにツアー会社に電話して、日程を翌日に変更してくれと要求しました。これについては会社もミスを認め、チケットをホテルに郵送で届けておいてもらうことで解決しました。自分で気が付いたから良かったようなものの、気が付いていなかったらパーになっていたところです。こういうところも格安ツアーのリスクですね。

 

 しかも、その担当者、最初にローンの申し込みもしていたのに、その手続をしていませんでした。おかげでローンの申し込みが遅れ、普通なら郵送で申し込むところを電話で申し込むという異例の対応になりました。そのことでローン会社とちょっとしたトラブルになりました。

 

 こういうことが続いたので、ツアー会社に担当者をもっとしっかりした社員に替えてくれと要求しました。さすがに向こうも非を認めて担当者を差し替えましたが。

 

5 ツアー会社の情報を過信しないこと

 さっき書いたことと矛盾するようですが、(その1)でも似たようなことを書いたとおり、格安ツアーを組んでいる会社は小規模なところが多いです。ですから、現地に支店を持っているわけではなく、現地のツアー会社に手配を委託している場合が殆どです。ですから、現地のことについて詳細な情報を持っているわけではありません。例えば、ホテルのことについても詳細は把握していないんです。

 

 私が選んだツアー会社もホテルのことについては何も把握しておらず、ネットで情報を得ているだけでした。例えば、シャンプーやリンスがあるかどうかについても、ホテルのHPに掲載された写真を見てなさそうだなと判断していたくらいですから。それでこれらは携帯用のを持参しました。しかし、ヘア・ドライヤー位はあるだろうと思っていたら、無かったんです。おかげで毎朝爆発した髪をセットするのに一苦労しました。

 

 また、その会社を通じて現地主催のオプショナル・ツアーを申し込んだのですが、担当者によれば集合時間に集合場所へ行けば現地係員がプラカードを持って待っているとのことでした。しかし、待てど暮らせど誰も来ません。これも説明書をよく読むと現地係員は添乗しませんと書いてありました。

 

 つまり、大手のツアー会社と違い、格安のツアー会社は現地の情報には疎いので、必ずしも当てにはできないんです。この辺りもリスクの一つといえます。

 

 6 「旅行計画書」を作ること

(1)「旅行計画書」の必要性

 「文章を書くのは苦手」という方も多いかもしれませんが、旅行計画書は絶対に作っておいた方が良いです。何しろ添乗員がいないんですから、移動はすべて自分でやらなければなりません。よほど記憶力の良い人でもない限り、何時にどこへ行くなんて覚えてられません。

 

 例えば、リゾート地の海岸でのんびりと1日過ごすというのならともかく、あちらこちらへ移動するのであれば時間や場所などを把握しておかないといけません。特に現地ツアーに参加する場合は、集合時間や場所が決まっていますから、絶対に記録しておく必要があります。また、観光スポットや店などであれば、「定休日」がある可能性もあります。着いてからしまったということにならないように準備しておきましょう。

 

 それと移動が多い場合は、効率的に移動する方法も検討しておかないといけません。列車、バス、タクシー、何を使うのが一番安くて速いのか、それを検討した結果を記録しておくのが計画書です。それから公共交通機関なら運賃も記載しておきましょう。今はネットという便利な武器がありますから、それを最大限に活用しましょう。

 

(2)「旅行計画書」を作る際の注意事項

 最近は、ネットが普及していることからネットで情報を収集する方が多いでしょう。それはもちろん有力な方法ですが、注意事項がいくつかあります。

 

 (ア)  情報は最新のものを手に入れること

 期間制限なしで検索すると、何年も前の情報がヒットすることが良くあります。その場合、その当時と今とでは状況が変わっている可能性がありますから注意が必要です。

 

 例えば、私の場合、ロンドンの公共交通機関についてネットで調べました。ヒースロー空港ターミナル4からパディントン駅までの列車なんですが、「ヒースロー・コネクト」に乗るつもりでその記事を探したんです。最初、読んだ記事では乗り換えなしでパディントンまで行けると書いてあったんです。

 

 ところが、その記事が何年か前に更新されたままの古いものだったので、もっと新しい記事を探したら、数年前から「ヒースロー・セントラル」という駅で一旦乗り換えるように運行形態が変わったと書いてありました!危ない、危ない、最初の記事を信じていたらエライ目に遭う所でした(もっとも、後でわかったんですが、実際には直行列車もあります)。

 

 それと、運賃も最初の記事では£9.9と書かれていましたが、2015.7.13現在では£10.10に値上がりしていました。運賃改定があったんです。

 

 ですから、ネットで検索する場合は、期間指定をして少なくとも1年以内の情報を得るようにしましょう。古い記事でも人気があってよく読まれている記事は、トップにヒットすることも良くありますから。ただし、期間指定をあまり短く設定してしまうと、今度はヒットしなくなってしまいますから1年以内位が適当でしょう。過去の歴史を調べるのは大丈夫なんですが、これから旅行に行くというのなら、最新の情報を得ておく必要があります。

 

 (イ)   ネット情報を過信しないこと

 自分でブログを書いていてこんなことを書くのもなんなんですが(^^ゞ、ネット情報が正確とは限りません。ウィキペディアでも間違いが多いということは以前から指摘されていて、大学では学生のレポートでの引用を禁止しているところもありますし、私も間違いを発見したことがあります。

 

 よく、著名人が店の評価をしていることがありますが、あれもあくまで個人的感想にすぎず、いつもはそんなことはないのにたまたまその日だけサービスが悪かっただけ、なんてこともあります。ある飲食店が、著名なサイトで評価を下げられて損害を受けたとして、サイトの運営会社に損害賠償を求めて民事訴訟を提起したことがありました(もっとも、敗訴したようですが)。そりゃ、ちょっと店員の態度が悪かったというだけで、最低の評価をつけられたら店もたまったもんじゃありません。まして、評価する側はどこの誰だか分からないし、何の責任も取らなくていいんですから。

 

 私もこの手のメジャーなサイトで評価が高い店に行ったら、全然ダメだったという苦い経験を何度かしたので、あまり信用しなくなりました。「やらせ」なんかもありましたしね。今だと、例えば個人で食べ歩きを趣味にしていて、あちらこちらを自分の足で訪ねて、実際に食レポを書いている人のブログの記事なら信用してもいいかなと思っています。その人自身の信用にかかわりますし、でたらめな記事ならだれもブログを読まなくなりますから。

 

 それから、投稿者が嘘を書くつもりはなくても、勘違いしている場合もあります。私もひょっとしたら勘違いしているかもしれません。もし、記事に間違いがあったら遠慮なく指摘してください。

 

 あと、いくら探しても知りたいことが見つからないこともあります。これはやむを得ません。私の場合、先ほど書いたように、ヒースロー空港ターミナル4からパディントン駅までの「ヒースロー・コネクト」についての記事を探したんです。ところが、一番知りたかった切符を買う場所とか買い方がいくら探しても見つかりませんでした。

 

 (ウ)  動画サイトはかなり有力な情報源

 動画サイトはかなり有力な情報源です。というのは、「一目瞭然」という言葉通り見ればすぐに分かるからです。しかも見たままですから、故意に編集しない限り嘘とか誤解が生ずる余地はありません。分かりやすさの点で言えば、文字<写真<動画となりますね。

 

 特に、日本人が現地で撮影した動画はかなり貴重です。例えば、自動販売機での切符の買い方なんて動画は誰が見てもすぐ分かります。文章で説明されるよりはるかに簡単です。何より日本人の目線で撮影してますから、日本人が知りたいなということをアップしてくれてます。

 

 (エ)  オフィシャルサイトと個人のサイトの両方を調べること

 よほどいい加減な組織でもない限り、オフィシャルサイトに間違った記事は載っていません。ですから、正確な情報を手に入れたければオフィシャルサイトの記事を調べましょう。日本人観光客が多い観光スポットなら日本語で書かれた記事もありますが、現地語でしか書かれていないものもあります。それでも今は翻訳ソフトがあるので、それで翻訳してみましょう。まだまだ精度が低いので怪しげな日本語になってしまいますが、それでも言いたいことは何となく分かります。

 

 しかし、オフィシャルサイトでは一般向けの情報しかないので、詳細なことは分かりません。そこで、個人がブログなどで書いた記事も参考にすることになります。ただし、こちらは先ほど書いた通り、嘘や誤解が混じっている可能性があるので注意が必要です。ただ、それはさておくとしても、かなり貴重な裏情報を提供してくれている場合があります。これはしっかりコピーしてプリントするなり、スマホに転送するなりしておきましょう。本当にそこに行ったことがある人とか、住んでいる人しか分からないことなんて山ほどあるんですから。それを知ってると知らないとでは天と地程の違いがあります。

 

 (オ)  分からないことは質問サイトで質問する

 先ほどいくらネットで検索しても分からないことがある、と書きました。でも、そこで諦めずに質問サイトで質問してみましょう。よほどマイナーな質問でもなければ、誰かが答えてくれるはずです。

 

 私は、ビートルズのジャケ写で有名なロンドンのアビイ・ロードに関する質問をしたのですが、貴重な情報を提供してくれた方がいたおかげで、ほぼ自分が思った通りの写真を撮影することができました。逆にいえば、その情報がなかったら撮影できていなかった可能性が大です。ですから、自分で可能な限り調べたが分からなかったことを整理して質問してみましょう。

 

  (カ)  オフィシャル・サイトにメールで質問する

 これはかなりハードルが高いですが、オフィシャル・サイトにメールで質問するという手もあります。現地語か少なくとも英語で書かないといけないので、なかなか難しいとは思いますが。ただ、翻訳ソフトがあるのでそれを使えば文法的には少々間違っていても、聞きたいことは伝わると思います。翻訳ソフトを使う場合は、込み入った表現を使わずできるだけ素直な日本語で質問を書くこと。込み入った表現を使うと、変てこな翻訳になってしまいます。

  (キ)  計画書の書き方

 時間を軸として、縦に何月何日、何時何分にどこへ行くのか、その交通手段などを書き込みます。ここがポイントだと思う所は、目立つ色でゴシックで書きましょう。

 

 例えば、航空機の発着空港、搭乗便、発着時間、そこへ行くまでの移動手段などは重要です。乗り遅れたら航空券がパーですし、後の予定が台無しになりますから。それからオプショナル・ツアーに参加するならその集合時間や場所なども書いておきます。

 

 移動手段も重要です。私の場合は殆どロンドン市内でしたので、移動手段は地下鉄でした。ですから、どの駅のどの路線のどこ行きの何時発の電車でどこで乗り換えて、最終に降りる駅まで克明に書きました。スマホのアプリでロンドン市内の地下鉄の路線情報を提供してくれるものがあります。これはかなり助かりました。

 

 ロンドンは大都市ですから交通手段も多いですが、田舎へ行けば限られます。ですから、乗り遅れたりしたら大変です。

 

 さて、これで初めての「海外格安ツアー」についての記事は終了です。次回は、「ビートルズの足跡を訪ねて~リヴァプール~ロンドン旅行記」を掲載します。